昆虫少年と過ごす夏


昆虫大好きの息子にとって、夏といえば、カブトムシ、クワガタである。
うちの周りはわりと自然豊かなので、近場でカブトムシやクワガタの採集ができる。先日も夜の森に探しに行ってきた。

7年ほど昆虫少年と暮らしているのでそこそこ慣れたとはいえ、虫に触れたり近くで見るのにはまだまだ抵抗があるわたし。かなりやせ我慢をしての付き添いである。

蚊や蛾を追い払いながら懐中電灯の光を頼りに真っ暗な森をすすむ。
「ママ見て!」と、息子がとある樹を指さした。そこには、したたる樹液に大きなカミキリムシが大量に集まっていた。まともに見ると卒倒しそうだったので、なるべく意識を分散する。しかしここで動揺しているのを息子にさとられると、彼の意地悪心を刺激して面倒臭いことになるので、できる限り平静を装い、「う、うん、すごいね」と返事を絞り出す。

次に息子は、木の洞にいろいろな虫がギッシリつまっているのを発見、鼻先がつくほど顔を近づけて穴の中を観察し始めた。この光景だけでも十分クラっとしたけど、次に起こった展開に本気で発狂しそうになった。

「コクワガタがいる!」と、息子は無数の虫が蠢く穴に躊躇なく手をねじ入れ、黒光りする一匹の虫をつかみ出した。しばしソレを観察すると「あ、これゴキブリじゃん」と事も無げに言ってポイッと投げ、また穴に手を突っ込んだ。

わたしは錯乱状態になり、離れたところから「もうやめてぇえーーー!!!」と泣きながら懇願。しかし「ほんとにコクワが見えたんだ!」と、憑りつかれたように穴を探し続ける息子。そうして何度かGをつかんではポイしながら、最後は無事コクワガタをゲットしたのだった・・・。

そんなこんなで一時間ほど夜の森を徘徊した結果、カブトムシ雄3匹、メス1匹、クワガタを1匹、コクワガタを1匹捕まえた。息子はまだまだ捕り足りないようだったが、わたしはもういろんな意味でヘロヘロだったので、それで勘弁してもらった。

「また来ようね!」と無邪気に言う息子に、「う、うん」と返事するので精一杯。次は絶対に夫に付き添ってもらう、、、そう固く誓ったのだった。

写真は、ニイニイゼミの羽化とそれを見守るカエル。これくらいなら近寄れます。


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