すれ違い

自分の撮った写真を見返してると、案外小さな生き物の写真が多いことに気が付いた。
虫や爬虫類が好きな息子に、あとでこれを見せてあげようと、ちまちまカメラに収めているからだ。

自分はこんなに美しい自然の中で過ごしているのに、息子は都市近郊の住宅街で、夫とふたり過ごしている・・・。いつもちょっとした罪悪感があって、せめてもの罪滅ぼしというのもある。
ところがその写真を息子に見せると、喜ばれるどころか、「ぼくもホンモノがみたかった!ママだけずるい!」と泣かれたり、「ぼくはもっともっとおっきいカエル、みたことあるもん!」と怒られる確率のほうが高い。息子にしたら、自慢されている気になるようだ。それとやはり、自分を置いて母がどこかへ行くことが、おもしろくないのもあるのだろう。息子の気持ちもわからないでもないが、撮影に彼を連れていくことは、今はまだどうしても難しい。なかなか上手くいかないものです。


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