ばけばけ聖地巡礼

最終回の余韻が残る4月上旬、朝ドラ「ばけばけ」の舞台を聖地巡礼してきました。

まずはサンライズ出雲という寝台特急で出雲市駅へ。レンタカーを借りて最初に向かったのは、稲佐の浜、出雲大社。ここで一旦息子の要望に合わせ奥出雲の「たたら製鉄」へと足をのばしました。その後はいよいよ松江へ。ドラマ撮影地や物語ゆかりの場所を巡り、帰りは出雲空港から飛行機で帰る、という行程です。

ばけばけ最終回のすぐあととあって、現地ではまだまだ熱気を感じられました。

以下、ドラマを見ていた人しかわからない内容もありますが、巡った順に写真を掲載します。

稲佐の浜

ドラマのなかで出雲大社と稲佐の浜あたりを旅行していたヘブン先生と錦織さん。ここにおトキちゃんを呼び寄せていましたね。息子(中2)に、「おトキちゃんみたいに『ヘブンせんせーーー!』って言いながらあっちから走ってきて」と言ってみると、食い気味に「いやだね。自分でやれば?」と冷たくあしらわれました。最近はそういう感じです。

出雲大社

▲隙間から瑞垣の内側。撮影しても良いとのこと

出雲大社で結婚の誓い&報告をしていた二人。通常では入れない「瑞垣(みずがき)」の内側で撮影されたのはドラマ史上初。史実でも小泉八雲さんがこのゾーンに入った初めての外国人だそうです。

八重垣神社

トップの写真は、「八重垣神社」の鏡の池の縁占い。早く沈めば縁が早く、遅く沈むと縁が遅く、近くで沈むと身近な人、遠くで沈むと遠方の人とご縁があると伝えられています。

ドラマでは、おトキちゃんの紙が池の奥の方まで流れていって、なかなか沈まなかったシーンが印象的でしたね。これもモデルのセツさんの実話だそうです。

ちなみに、我々家族3人も一応占いに挑戦してみたのですが、息子の紙は手前にあるもののなかなか沈みませんでした。その場にいた他の誰よりも。不安をおぼえます。

松江城

▲ドラマの初めの頃、司之助がうらめしく見つめていた松江城

▲ドラマオープニングでおトキちゃんとヘブン先生がいた、松江城のお掘りにある宇賀橋

▲ドラマでは出ないけど、郷土料理のぼてぼて茶。お城のお茶屋さんでいただきました

松江城とその周辺は、ちょうど桜が満開。お祭りも開催されたくさんの人で賑わっていました。
せっかくなので、お堀を巡る遊覧船にも乗ってみることに(堀川遊覧船 ぐるっと松江 堀川めぐり)。オープニングでおトキとヘブンがいた宇賀橋をくぐることができました。

この船、何度か低い橋の下を通るのですが、そのたびに屋根が下がってきて、自分たちもぐっと身をかがめなくてはなりません。その瞬間がなんともスリリングで、アトラクションのような面白さがありました。加えて、私たちの船の船頭さんがなんと言うかわんぱくな方で、お客さんたちと次々に険悪な空気になっていてそれもスリリングでした。

宍道湖

『ばけばけ』で宍道湖といえば、なんといってもおトキちゃんとヘブン先生が初めて手をつないだあの名シーンですよね。
でも実は、宍道湖で撮影されたのはあのシーンだけなのだとか。ドラマに出てくる宍道湖風の湖のシーンは、琵琶湖で撮られているそうです。そんな舞台裏を知ってから改めて本物の宍道湖を眺めると、あの二人の大切な瞬間だけは、やはりこの場所でなければならなかったんだな……と、感慨深いものがありました。

そして実をいうと、私はこれまでの四十数年間、ずっと「宍道湖」のことを「穴道湖」だと思っていたことを、ここに告白します。(「しんじこ」とは読んでいた)

清光院

小泉八雲の怪談「遊女松風」の舞台となった、清光院。
境内には今も松風のお墓があり、静かな空気が流れています。ドラマにも何度か清光院が登場しますが、実はドラマの撮影自体は別の場所で行われたのだそうです。

西田千太郎旧居

松江駅の近くには、小泉八雲が最も信頼を寄せていた友人、西田千太郎さんの旧居が現存していて、中を見学することができました。ドラマでは、吉沢亮さん演じる錦織さんのモデルになった方ですね。

案内してくださったスタッフの方がとても詳しく、色々と解説をしてくださったのが印象的でした。
劇中で精密に再現されていたあの「屋根裏」ですが、実物は老朽化が激しく危険なため、現在は見学できないそうです。

でも二人で仲睦まじくお話をされていたという縁側の椅子や小泉八雲が千太郎にあげた黒曜石など実物を見学できたので満足です。

カラコロ工房「ばけばけ展」

▲ おトキとヘブン先生が描いた絵に興味津々の絵が好きな息子

本当ならもう終わっているはずだった、カラコロ工房の「ばけばけ展」。
嬉しいことに期間が延長されていて、無事に見学することができました(5月10日までだそうです)。

会場にはドラマの小道具や衣装、撮影地の案内、そして数々の名シーンを収めたパネル写真などが並んでいて、ばけばけファンにはたまらない空間でした。

山橋薬舗、花田旅館モデルの場所と松江大橋

▲橘泉堂の店内 とても素敵でした

▲橘泉堂外観

▲松江大橋たもとにある花田旅館モデル富田旅館の場所にたつ大橋館

▲小泉八雲は松江大橋にまつわる物語を『知られざる日本の面影』に書いている

カラコロ工房の駐車場に車を止め、そのまま街歩きへ。
山橋薬舗のモデルとされる「橘泉堂 山口卯兵衛商店(山口薬局)」や、花田旅館のモデルになった富田旅館の跡地に建つ「大橋館」、そして松江大橋などを散策しました。

橘泉堂にはおしゃれな雑貨も並んでいて、自分へのお土産に薬瓶をひとつ購入。
お店の方のお話では、小泉八雲本人が店を訪れたという文献こそないものの、女中さんたちがこちらによくビールを買いに来ていたという記録は残っているそうです。その中に、セツさんもいたかもしれないですね。

月照寺の大亀

私が今回の聖地巡礼で、何より実物を見てみたかったのがこの「大亀」です。ここに来たいがために島根まで来た、と言っても過言ではありません。

実際に目の前にした大亀は、想像していたよりも少し小ぶりでしたが、ドラマでも語られていたあの伝説を思うと、どこか神秘的な空気をまとっているように感じました。

聖地の中でもここは一番人気のスポットのようで、実はカメラの手前には長い列ができています。みんな、オープニングに出てくるあの二人のような写真を撮ろうと、順番を待っていました。

建立から250年ほどたち、老朽化がはげしい大亀。修繕に向けクラウドファンディングが始まっています。

城山稲荷神社

ヘブン先生のお気に入りだった、城山稲荷神社。
実際に小泉八雲にとっても、ここは一番のお気に入りと言えるほどの散歩コースだったそうです。

境内に入ると、大小1,000体以上もの「石狐(いしぎつね)」がずらりと並んでいます。松江城のすぐそばにありながら、しんと静まり返った境内の空気感。物悲しい場所を愛した八雲がいかにも気に入りそうな、不思議な魅力に満ちていました。

小泉八雲記念館と旧居

▲小泉八雲記念館の外観。なかでの撮影は禁止です

最後に、小泉八雲記念館とその隣にある旧居を訪れました。城下町の風情が色濃く残る「塩見縄手(しおみなわて)」の西の端に位置しています。

記念館の方はちょうど団体のお客さんと重なってしまい、大混雑でゆっくり見学できなかったのですが、旧居の方はじっくりと見て回ることができました。

実際に旧居の中に身を置いてみると、あらためて、ドラマの再現度がどれほど素晴らしかったかを肌で感じることができました。

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今回あちこち回ってみて改めて思いましたが、出雲や松江はたとえ聖地巡礼じゃなかったとしても、旅先としてとても魅力的な場所ですね。
神話の舞台らしく神秘的な空気に満ちていて、歩き回るたびに力がチャージされていくような感覚がありました。

今回は書ききれませんでしたが、奥出雲の風景も素晴らしかったです。
いつかまた、ゆっくりと時間をとって訪れたい。そんな場所がまたひとつ増えた、良い旅になりました。


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